ウィリアムモリスの生地って2種類あるんです。 2023.06.16
インテリアコーディネーターの今野理沙です。
ここ数日、所属している山梨県インテリアコーディネーター協会役員が登壇する、住宅コーディネート講義を見学させてもらっています。
今回カーテン生地の違いを講義の中でお聞きしましたが、その中で本日読者の方にお伝えしたいのが「ウィリアムモリス」です。
インテリア好きな方、ファブリック好きな方でしたら好きな方も多いですよね。最近では100円ショップセリアでも売られるほど身近になりました。
イギリスのデザイナー、ウィリアムモリス。彼や彼の弟子たちが作った樹木や草花をモチーフとしたデザインは、約150年たった今なお多くの人々を魅了し続けています。(150年前にデザインされたものが今の時代の人にも愛されているってすごい事ですよね!)
そのモリスのデザインはカーテンや壁紙、家具の張地などに使われていますが、今回は「生地」について取りあげます。
モリスのデザインは現在イギリスの会社が権利を持っており、そこの生地を日本で輸入・販売しているのがマナトレーディング。
そして、権利を持っているイギリスの会社とライセンス契約を結び、日本オリジナルで作っているのが川島織物セルコン。
マナトレーディングはイギリスで作られた、いうならば「本場の生地」
川島織物セルコンは「日本で扱いやすく改良し、かつデザイン性はしっかりと残した生地」

モリスのデザインの中で最も有名で人気のある「いちご泥棒」のカーテン生地です。
左がマナ(イギリスからの輸入)、右が川島織物(日本オリジナル)
違いはマナ(イギリスからの輸入)は綿100%のプリント生地です。
柔らかくてナチュラな風合いで、プリントなので裏面には柄がなく白っぽくなっています。家庭でのお洗濯には向きません。(縮みやすいため)
デザインは絵の具の色むらのような色のにじみまで再現されており、色と色のコントラストはあまり強くなく柔らかい印象を受けます。
右の川島織物(日本オリジナル)はポリエステル生地で、今の日本のカーテンの主流となってる生地です。
織物なので裏から見ても柄があり綿より厚みがあり、生地自体ににボリュームが出て重厚感があります。そして家庭での洗濯が可能です。
プリントのような繊細な色の違いはありませんが、一色のように見える葉っぱの色も実は2色の糸を使っていたり繊細に表現されています。色と色のコントラストもプリントより強くでています。

実はこれだけ差がありますのでマナ(イギリスからの輸入)が本物だからマナじゃなきゃ!
ということではなく色や生地感のお好み、お洗濯などのメンテナンス性、など自身のライフスタイルで選ぶのが最適な選び方であると思います^^
いずれにしても英国らしい繊細でやわらかな、素敵なデザイン生地です^^