椅子の起源はエジプトの王様! 2023.12.17
インテリアコーディネーターの今野理沙です。
今日は家具についてちょっとしたお話をつづろうと思います。
今では当たりまえのように生活の中に欠かせないものとなっている家具ですが今の家具らしい形が生まれたのは紀元前3000~4000年ほどまで遡ります。
ちなみに現代の社会で家具の花形といえば椅子ですが、腰掛が誕生したのは紀元前何十世紀、というエジプトの時代。このころにも椅子は特別な存在でした。
なぜなら椅子は立派な王様が座るためのもの、庶民が使えるものではなかったからです。
装飾性があり、あんなに立派で自分が座るための家具があるなんて特別な事だったのです。
エジプトのファラオ(君主)たちは国を治めるため、自分の権威を国民に知らしめるために椅子を用いたのです。

紀元前26世紀の古代エジプト第四王朝、クフ王の母であるヘテプヘレス王妃の椅子
(現存する最も古い椅子のひとつ)

復元されたものがこちら。きらびやかです。
王様は他の人達よりも高い位置で、この背もたれやひじ掛けのある椅子に座って権力を象徴していました。
紀元前5世紀ころの古代ギリシャになると王様以外の庶民も背もたれのある椅子を使用できるようになりました。

クリスモスは前述の王様の椅子に比べると簡素で小さく、4本の足が曲線を描き爽快なイメージです。
こちらは庶民の中でも上の階級が使うものでした。
このような王様文化を起源として誕生した背もたれとひじ掛けのある椅子ですが、文明・輸送の発達、産業革命など…
(一気に端折りますが…)
時代の流れを経て、今では私たちがあたりまえに近所の家具屋さんやネット通販で購入できるようになりました。

このように物の起源や歴史を学ぶと、様々な角度から見たり考えたりできるようになっておもしろいですね。
今回の家具の起源のお話は、12月中旬に行われたポリテクセンター山梨様のリフォーム技能講座、インテリアコーディネートのカリキュラムで山梨県インテリアコーディネーター協会の講師たちが話した家具の回から抜粋です。
家具インテリア館オークの店主深澤さんが講師を務め、補佐を担当させてもらいました。
ありがとうございました。